お酒に強い人、弱い人〜美意識と健康vol.3〜

ウイスキーをゆっくり飲む

こんにちは!
colanの管理栄養士
上坂マチコです。

ようやく飲み会に行ける世の中になって
お誘いも増えてきましたね。

私はもともとお酒はそんなに強い方ではありませんが、
飲むのは好きです。
どちらかと言うと料理と一緒に楽しみたい派。

飲み会では少しセーブして飲みます。
自制心を保ちたいのと、
体調不良になりたくないので…。

お酒をきれいに飲める人っていますよね。
すごく好感が持てます。
自分の適量を知っているからスマートに飲めるのでしょう。

自分にとっての適量を知るためにはお酒に強いタイプなのか、
弱いタイプなのかをあらかじめ知っておくことが大切です。

国で公表されているアルコールの基準値や
お酒に含まれているアルコール量を知りたい方は
過去ブログをチェックしてみて下さいね。↓

           https://colan.jp/alcohol-fun-part1/

飲み会
目次

アルコールの分解とは

アルコールは胃や小腸で吸収されます。

そして肝臓でアルコール脱水素酵素によって分解され「アセトアルデヒド」になり、
次にアセトアルデヒド脱水素酵素に「酢酸」にまで分解されます。
アセトアルデヒドは有害で、酢酸は無害。
肝臓の解毒作用は優秀なことがよく分かりますよね。

この有害なアセトアルデヒドこそ
お酒を飲むと現れる不快な症状の原因物質です。


最終的にアルコールは水と二酸化炭素になって排出され、
一部は分解されないまま尿や呼気から排泄されます。

お酒を飲むと顔が赤くなるのは?

お酒を飲むと

顔が赤くなる
頭が痛くなる
動悸がする
具合が悪くなる

これらはアセトアルデヒドの分解が遅い人に
現れやすい代表的な症状でフラッシング反応と言います。

分解をする能力には個人差があり
速い人と遅い人がいます。

アセトアルデヒドを分解するのが
アセトアルデヒド脱水素酵素でしたよね。

この酵素の能力が高い人は
アセトアルデヒドの分解がスムーズに速く行われるため
悪酔いがしにくい“お酒に強いタイプ”。

逆に能力が低い人はアセトアルデヒドの分解が遅く、
少量のお酒でもフラッシング反応が出やすくなる
“お酒に弱いタイプ”になります。

ビール飲む

日本人の2人に1人はお酒に弱いタイプ


アルコールの代謝にはアルコール脱水素酵素と
アセトアルデヒド脱水素酵素の2つ酵素が関わります。
この酵素の分解能力には個人差があり、
遺伝子によることが分かっています。
お酒の強弱は親からもらう遺伝子の型によって決まるのです。

アルコール脱水素酵素の活性が低い人は
日本人は約10%。
アセトアルデヒド脱水素酵素の遺伝子の方が
日本ではお酒の強弱が決める要因が大きいということになります。

お酒に弱いタイプも遺伝子の型によって
全くお酒が飲めない人、
飲めても少量ですぐ体調に異変が出たり、
具合が悪くなってしまう人などがいます。

アジア人はお酒に弱いタイプの遺伝子を持つ人ががとても多く、
日本人は約41%程度にものぼるとか。
2人に1人はお酒を飲むと
フラッシング反応が起こりやすいということになります。

お酒に弱い人が飲み続けるのは危険信号

お酒に弱いタイプの人が飲み続けていると
量が増えたり、酔いが遅くなったりすることがあります。
「飲んでたらお酒に強くなった!」という言葉、聞きますよね。

これはアセトアルデヒド脱水素酵素の働きが良くった訳でも
肝臓が強くなった訳でもありません。
肝臓に多く存在する薬を分解する酵素「MEOS」が誘導されて
アルコールの代謝に使われているからです。
確かにお酒は強くなっていくのですが…。

本来「MEOS」は薬の分解に働く酵素。
これがアルコール代謝に使われると
薬の作用に影響を及ぼしてしまうのです。

薬が効きにくくなったり
薬が効き過ぎてしまったり

近い将来、病気になった時とても困ることになってしまいます。
大きい病気ならなおさら。

タイプを知ることがお酒を飲む極意


まずは自分がお酒に強いタイプか、弱いタイプかを知って
アルコールと向き合っていくことが大事です。

今は自分の遺伝子がどのタイプなのかが分かるキットもあるので
活用してみてはいいかがしょう。

あなたのアルコール感受性遺伝子を調べてみませんか?

自分のアルコールに対するタイプを知り、
お酒を上手にきれいに飲めるようになったら
病気予防にもつながります。
おいしいお酒と長〜く付き合っていけるようになるでしょう。

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