PFCバランスとPFCEバランス 〜美意識と健康vol.21〜
こんにちは!
colanの管理栄養士で
食事カウンセリングをしている上坂マチコです。
最近はPFCバランスを考えて食事をとっています。
PFCとは
P(Protein)はたんぱく質、
F(Fat)は脂質、
C(Carbohydrate)は炭水化物
いわゆるたんぱく質、脂質、炭水化物のバランスのこと。
ところがこれは私のとっては不正解だったのです。
PFCバランスとは?
たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)は
エネルギー源になる栄養素。
エネルギーの単位がご存知「カロリー」です。
これら以前は三大栄養素という名で親しまれていましたが、
今はエネルギーを生み出す栄養素なので「エネルギー産生栄養素」と言われています。
(一部教科書や文献は今も三大栄養素を使用)
エネルギー産生栄養素は
いずれも生きる上で欠かすことができない重要な栄養素です。
エネルギー産生栄養素の主な働き
炭水化物 … 糖質は最も重要なエネルギー源で、素早くエネルギーを補給する。
食物繊維は腸内環境の改善、血糖値の上昇抑制。
脂質 … エネルギー源であり、細胞膜やホルモンなどの成分で脂溶性ビタミンの吸収も促進する。
たんぱく質 … 体の構成成分で酵素やホルモン・神経伝達物質などの材料、免疫物質の一種でもある。
体を作ることに優先して使われ炭水化物、脂質を使い切った後にエネルギー源となる。
私たちは心臓や脳・筋肉などを動かしたり、体温を保持したり、
神経伝達、体に必要な物質を合成をしたりするのにも全てエネルギーを使います。
エネルギーがあるから生命活動を営むことができるのです。
そのためにも絶えずエネルギーを作り続けなければなりません。
エネルギーの材料になるのが炭水化物、脂質、たんぱく質と酸素です。
エネルギーを生み出す3つの栄養素を食事から摂取しなければ、
生きていくことはできません。
炭水化物、脂質、たんぱく質のエネルギー産生栄養素を過不足なく摂取することが
健康維持と増進、病気の予防、健康寿命延伸などにおいて必要不可欠なのです。
(たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝をサポートするビタミン・ミネラルも必須)
エネルギー産生栄養素が生み出すエネルギー量(アトウォーター係数)
・たんぱく質(1g) … 4kcal
・脂質(1g) … 9kcal
・炭水化物(1g) … 4kcal
炭水化物は
人の消化酵素で消化できる「糖質」と、
消化酵素で消化できず大腸の腸内細菌によって発酵を受ける「食物繊維」に
大別されます。
糖質は1g約4キロカロリー
(糖の種類によって異なりますが、現在はアトウォーター係数を使用)
食物繊維は1g0〜2キロカロリーのエネルギー量を産生します。
日本人において炭水化物の摂取量に占める食物繊維の摂取量は5%程度のため
炭水化物に食物繊維を含み、そのエネルギー換算係数も1g4キロカロリーで国は使用しています。
(日本人の食事摂取基準2020年版 / 厚生労働省)
PFCバランスとは
摂取したエネルギー量(食べたカロリー)に占めるエネルギー産生栄養素の割合(目標値)を示したものです。
アルコールを飲む人は“PFCEバランス”
PFCバランスはあくまでアルコールを飲まない人が使うバランス。
私のように時々アルコールを飲む人には適さないのです。
なぜならアルコールはエネルギーを産生するからです。
アルコール1g … 7kcal
*通常は7.1kcal/gが用いられことが多いですが、他のエネルギー産生栄養素とそろえて
7kcal/gとされています
アルコールを炭水化物の仲間として捉えている人も多いようですが、
アルコールは必須栄養素ではありません。
栄養素のように体に必要不可欠ではなく、嗜好品のひとつであり
体への影響を考えると摂取を勧めるものではありません。
アルコールは栄養素を含まないエネルギー源なのです。
これがアルコールは「エンプティカロリー(空っぽのカロリー)」と言われる理由。
(ワインなど糖質やポリフェノール、有機酸などを含むものも一部ありますが…)
エンプティーカロリーを太らないカロリーと勘違いしている人もいますが、
カロリーはあるので間違えて飲んでいると肥満の原因に。
そればかりか肝臓や胃腸、体全体にもダメージを与えます。
アルコールは高カロリー!
エネルギー産生栄養素を見てみると
たんぱく質と炭水化物は1g4キロカロリー、
脂質は1g9キロカロリーと他の2つに比べると倍以上のエネルギー量になります。
脂っこい物ばかり食べていると高カロリーな食事になり、
摂取エネルギー量が消費エネルギー量(使ったカロリー)を上回ってしまいます。
すると体重がどんどん増加することに…。
では1g7キロカロリーのアルコールはどうでしょう。
たんぱく質や炭水化物の約2倍にあたりますよね。
脂質同様に高カロリーということが分かります。
どんなに糖質を減らしてもお酒を飲んでいたら
意味がないということ。
「お酒を飲むからご飯は食べません」と言っている人、
ドキッとしませんか?
そこでアルコールを飲む人が考えなくてはいけないのが、
アルコール(Ethanol、エタノール)を加えた
PFCEバランスです。
ダイエット、筋肉増強、健康維持をしたい人で
アルコールを飲む場合は、
PFCEバランスを考えることが重要です。
ただしPFCEバランスは
アルコールの摂取を決して勧めているものではありません。
PFCバランスとPFCEバランスの目標値
健常な人のPFCバランス、PFCEバランスの目標値は…
摂取エネルギー量に占める割合(目標値)
P(たんぱく質) … 13〜20%(50歳以上14〜20%、65歳以上15〜20%)
F(脂質) … 20〜30%(アルコールを飲む場合は減らす)
C(炭水化物) … 50〜65%(アルコールを飲む場合は減らす)
E(アルコール) … 0〜10%
現在の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、
炭水化物に致し方なくアルコールが含まれています。
アルコールはエネルギー過剰摂取になりやすいので、
脂質や炭水化物からアルコール分を差し引いて考えるといいでしょう。
たんぱく質は体をつくる上で減らしたくない栄養素で、
なおかつ不足しやすい栄養素でもあります。
大事なことはPFCバランスが基本。
アルコールはできるだけ控えめにしていきましょう。
何といってもアルコールは“百害あって一利なし”なのですから。
適量を守りながら上手に付き合うことが大切です。
アルコールについての記事はこちらの画像をクリックしてご覧下さい▼
まとめ Q &A
Q PFCバランスって何ですか?
A
摂取エネルギーに占めるたんぱく質、脂質、炭水化物の割合の目標値を示したものです。
エネルギーを産生することができる栄養素はこの3つだけで
「エネルギー産生栄養素」と言われています。
私たちはこれら3つの栄養素と酸素を材料に作られるエネルギーを使って生きています。
心臓や脳・筋肉などを動かすためのにも、体温を保持するためにもエネルギーが必要。
さらにエネルギー産生栄養素にはエネルギー源以外にも大事な役割があります。
これらを過不足なく摂取できるように示された値がPFCバランスなのです。
Q PFCバランスのPFCって何ですか?
A
P(Protein)はたんぱく質
F(Fat)は脂質
C(Carbohydrate)は炭水化物
これを略してPFCと言います。
いずれもエネルギーの原料になる大事な栄養素。
炭水化物は素早くエネルギーを補給し、たんぱく質は体の構成成分になり、
脂質は細胞膜やホルモンを作る上で欠かすことができない栄養素でもあります。
Q PFCEバランスって何ですか?
A
たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)はエネルギーを生み出す必須栄養素ですが、
栄養素には含まれないアルコールもエネルギーを産生します。
アルコールのエネルギー量は1g7キロカロリー。
たんぱく質と炭水化物は1g4キロカロリー、脂質は1g9キロカロリー。
アルコールはたんぱく質や炭水化物より約2倍近くものエネルギー量があります。
脂質同様に高カロリーということ。
アルコールを飲む人はアルコール(エタノール、Ethanol)を含めたバランスが大事になります。
そこでPFCにエタノールの「E」を加えたのがPFCEバランスです。
Q PFCバランスとPFCEバランスの使い方は?
A
結論から言うとアルコールを飲まない人は「PFCバランス」を使い、
アルコールを飲む人は「PFCEバランス」を使うようにするといいでしょう。
アルコールのとり過ぎはエネルギー過剰摂取(カロリー過剰摂取)になって太りやすくなります。
アルコールは“百害あって一利なし”ですから、いずれにしても控えめにしましょうね。
お食事のカウンセリングサロンcolanでは、PFCバランスについてもお伝えしております。
初回無料ですのでお気軽にご相談下さい。