腸活で美肌とメンタルケア 〜若見えウェルネスvol.28〜

いちごヨーグルト

こんにちは!
colanの管理栄養士で、
若見えダイエット相談をしている上坂マチコです。

腸活が流行る前から長年、腸について
研究と勉強をしてきました。

はじまりは腸と肌の関係から。

講演会でも腸活の依頼が実に多いです。

あまりにも腸について熱く語っていたものだから、
某大手メーカーのアドバイザーをしていたくらい。

腸活は医療においても欠かせないトピックになっています。

美意識の高い人の間では、
腸活はもう当たり前になっていますよね。

腸の研究は日進月歩。
自分の腸活もそれに合わせて進化しています。

そんな腸にうるさい私が行なっている
最新腸活をお伝えします。

目次

腸の働き

体内での腸の役割は多岐に渡り、
体と心の指揮官として毎日活動しています。

【腸の役割】
・栄養素の消化・吸収
・免疫の働きを整える(病原菌、ウイルスなど異物の侵入を防ぐ)
・老廃物の排泄
・老化予防
・メンタルの安定など

簡単に説明すると…

●栄養素の消化・吸収
・栄養素の90%以上が小腸で消化・吸収されます。
●免疫の働きを整える。
・全身の免疫細胞の約60〜70%が腸に集まっています。
・腸内細菌は免疫細胞を活性化したり、教育をしたりする働きがあります。
●老廃物の排除
・不要な物、有害物質を便として排出。
●老化予防
・老化の原因の一つが、老廃物によって傷つけられた細胞が体内に溜まること。
 腸を整えることは老化予防につながります。
●メンタルの安定
・腸と脳が互いに影響し合う関係を「脳腸相関」と言います。
・ストレスを緩和する神経伝達物質の「GABA」や、
 幸福感をもたらすホルモン「セロトニン」は腸内でも作れます。

腸と肌の関係

人の腸に存在する腸内細菌は約100兆個。
有用菌(善玉菌)、有害菌(悪玉菌)、日和見菌があります。
(※今回は分かりやすいように有用菌と有害菌は、善玉菌と悪玉菌で統一します)

日和見菌は、腸内環境が良い時は善玉菌を助け、
腸内環境が悪化すると悪玉菌の働きを助ける傾向があります。
日和見菌が最も多く存在するため、善玉菌を増やすことが大切。

食事の乱れやストレス、睡眠不足や運動不足などで悪玉菌は増加します。
腸内環境が悪化すると悪玉菌は、アンモニアやフェノールなど有害物質を産生。
腸のバリア機能が低下(腸漏れ:リーキガット症候群)すると、
これら有害物質が血液に流出し、全身に影響を及ぼします。
有害物質が皮膚細胞に運ばれると炎症を起こし、肌荒れの一因になるのです。

また、腸内細菌は一部のビタミンを合成します。
ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンKの
合計9種類。

いずれのビタミンも体の代謝に必要で、
美肌づくりにも関与します。
腸内環境が悪化すると、これらビタミンの合成能力が低下しやすくなり
肌ダメージのリスク要因に…。

いずれにしても腸内環境の良好さが、
美肌づくりをサポートしてくれるのです。

腸活のやり方

腸は食事を変えれば変わり、腸が変われば体も脳も変わります。

腸活と言えば発酵食品や食物繊維が有名ですが、
もう少し補足していきましょう。

❶善玉菌を増やす!


腸内細菌が喜ぶ餌を与えることで、
善玉菌を増やします。

【水溶性食物繊維】
・善玉菌を増やし、悪玉菌を減らします。さらに血糖値やコレステロールの上昇を抑える働きも。
・オートミール、もち麦、海藻類、コンニャクなど

【難消化性オリゴ糖】

・オリゴ糖には胃や小腸で消化される「消化性」と、消化されずに大腸まで届く「難消化性」があります。
 善玉菌の餌になるのは、フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、
 ラフィノースなどの「難消化性」

 フラクトオリゴ糖  : 玉ねぎ、ゴボウ、バナナなど
 大豆オリゴ糖.   : 大豆、豆腐や豆乳、納豆など大豆製品
 ガラクトオリゴ糖 :  牛乳など 
 ラフィノース  :  ブロッコリー、キャベツ、全粒小麦など

【レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)】
・穀類、いも類、豆類などに含まれているでんぷんは、加熱後に冷めると
 胃や小腸で消化されず、大腸まで届いて善玉菌の餌になります。これがレジスタントスターチ。
・冷やご飯、冷たいおにぎり、大豆サラダなど

❷善玉菌を摂る!

【発酵食品】
・善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌、酢酸菌、酪酸菌など)が含まれている発酵食品。
・ヨーグルト、納豆、キムチ、ぬか漬け、チーズ、味噌、醤油、酢、豆板醤、アンチョビなど

朝食にピッタリ! 「腸活ヨーグルト」

私が毎日、朝食に食べている「腸活ヨーグルト」を紹介します。

・前日の晩に好みの量のオートミールを器に入れ、その上にプレーンヨーグルトと、
 冷凍ブルーベリーをのせてラップをして冷蔵庫でひと晩置きます。
 いわゆるヨーグルトでオーバーナイトオーツを作ります。
・食べる時にフラクトオリゴ糖やラフィノースが含まれているオリゴ糖をかけたら出来上がり。

[ポイント]
・水溶性食物繊維が多いオートミール、善玉菌が含まれているヨーグルト、
 難消化性オリゴ糖のフラクトオリゴ糖やラフィノースが摂取できます。
 ブルーベリーの色素成分「アントシアニン」の抗酸化作用により老化も防止。

 ダイエット相談をしているとオートミールが苦手な方が多いようです。
 いろいろ試した結果、私がオススメするのが、
 ほぼ無味無臭で食べやすいアリサンの「有機オートミール」。
 お客様もこれなら食べられると仰っています。

オリゴ糖は加藤美蜂園本舗の「北海道てんさいオリゴ糖」を長年愛用中。
難消化性オリゴ糖のラフィノースやフラクトオリゴ糖などが選べ、風味も違うので気分で使い分けています。

朝は「腸活ヨーグルト」の他に目玉焼きorゆで卵(たんぱく質補給)、
野菜サラダ(不溶性食物繊維、ビタミン補給)にすりゴマ(ビタミンE補給)をたっぷりのせ、
塩かポン酢、そして脂肪になりにくいMCTオイル(吸収が速い中鎖脂肪酸)をかけていただきます。
食後のカロリー消費を上げるためにブラックコーヒーでカフェイン補給も欠かしません。

短鎖脂肪酸

腸内環境を改善する上で3つの「○○ティクス」があります。

①プロバイオティクス
・ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の生菌、またはこれら生菌を含む食品
・体に有用な働きをする菌を体内に入れる。
②プレバイオティクス
・善玉菌を増やす餌
・水溶性食物繊維、難消化性オリゴ糖、レジスタントスターチなど
③シンバイオティクス
・プロバイオティクス(善玉菌)とプレバイオティクス(善玉菌の餌)を
組み合わせて摂ること。または組み合わせた食品
・オリゴ糖入りヨーグルトなど

さらに昨今、注目を集めているのが「ポストバイオティクス」

これは食品に含まれている成分を使って、
腸内細菌が作り出す体にいい代謝産物のこと。

ポストバイオティクスの代表が「短鎖脂肪酸」です。
短鎖脂肪酸も耳にする機会が増えてきましたよね。

水溶性食物繊維や難消化性オリゴ糖、レジスタントスターチは、
消化を受けずに大腸まで届き、
腸内細菌によって発酵を受けます。
この際にプロピオン酸、酪酸、酢酸などの短鎖脂肪酸を生成します。

短鎖脂肪酸は1g当たり約2kcalのエネルギーを持ち、
腸のエネルギー源となって、腸粘膜の機能維持や蠕動運動を促します。
それと同時に腸内を酸性に傾け、悪玉菌の発育を抑制し、
酸性に強いビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の増殖を促進して腸内環境を改善します。
さらに、腸管のバリア機能も強化。

全身への作用としては、
血糖値の急上昇を抑え、脂肪の蓄積を調節することで肥満を予防し、
さまざまな生活習慣病のリスクを低減します。

腸内細菌が作るポストバイオティクスには「GABA(γ-アミノ酪酸)」もあります。

GABAは、ストレス緩和や睡眠の質を向上させることで有名。
脳や神経の興奮を抑え、リラックス効果があることが明らかになっている神経伝達物質です。


GABAは脳で作られますが、
腸でもビフィズス菌や乳酸菌が産生するので、「脳腸相関」と言われるのもよく分かりますよね。

腸内細菌は心のペット

腸内細菌は生き物なので、餌がないと生きていけません。
人間と同じで餌がないと機嫌が悪くなり、
体に悪い餌だとグレやすくなります。(腸内環境が悪化するということ)

腸内細菌は、私たちの腸が棲みやすかったからそこに存在しています。
ただ餌も与えずに「腸でいい働きをしてね」と思っていても
全く通用しません!

それどころか餌が不足し、空腹になった腸内細菌は、
腸管の内側を覆っている粘液を食べてしまうそうです。
私たち自身の体が餌にされてしまうということ。
すると腸管を覆っている粘液が減少し、腸のバリア機能が低下(腸漏れ)します。
腸内細菌が喜ぶ餌をきちんと食事で与えることで、
私たちが望む腸内環境を作ってくれるのです。

私は「腸内細菌をペットと思いなさい」とよく言っています。
かわいいペットだと思うと、
良質な餌(水溶性食物繊維や難消化性オリゴ糖を含んだ食品、発酵食品など)を与えたくなりますよね。
するとペット(腸内細菌)は喜んで、私たちの心身をやさしく労ってくれることでしょう。

脳は変えられませんが、腸は食事で変えられます!

美肌、メンタルケアにも腸活を習慣化してみませんか?

まとめ QandA

Q 腸活のやり方とは?

A

腸は食事を変えれば変わり、腸が変われば体も脳も変わります。

❶善玉菌を増やす成分と食べ物

【水溶性食物繊維】
・オートミール、もち麦、海藻類、コンニャクなど
【難消化性オリゴ糖】

・フラクトオリゴ糖  : 玉ねぎ、ゴボウ、バナナなど
 大豆オリゴ糖.   : 大豆、豆腐や豆乳、納豆など大豆製品
 ガラクトオリゴ糖 :  牛乳、母乳など 
 ラフィノース  :  ブロッコリー、キャベツ、全粒小麦など
【レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)】
・加熱してから冷めた穀類、いも類、豆類に含まれているでんぷんは、善玉菌の餌になります。
・冷やご飯、冷めたいもなど
❷善玉菌を摂る!
【発酵食品】
・善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌、酢酸菌、酪酸菌)が含まれているヨーグルト、
 納豆、キムチ、ぬか漬け、チーズ、味噌、醤油、酢、豆板醤、アンチョビなどの発酵食品

Q 腸活は肌にも関係しますか?

A
食事の乱れやストレス、睡眠不足や運動不足などで腸内細菌の悪玉菌が増加します。
腸内環境が悪化すると悪玉菌は有害物資を産生。
さらに腸のバリア機能が低下(腸漏れ:りーキガット症候群)すると、有害物質が血液に流出します。
有害物質が皮膚細胞に運ばれると炎症を起こして、肌荒れなどの一因になるのです。

また、腸内細菌はビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンKを
合成します。
いずれのビタミンも体の代謝に必要で、美肌づくりに関与。
腸内環境が悪化すると、これらビタミンの合成能力が低下しやすく、肌ダメージのリスク要因になってしまいます。

いずれにしても腸内環境を良好に保つことが、美肌への近道です。

Q 短鎖脂肪酸とは何ですか?

A
最近、「短鎖脂肪酸」というワードを耳にする機会が増えてきましたね。

水溶性食物繊維や難消化性オリゴ糖、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は、
消化を受けずに大腸まで届き、腸内細菌によって発酵を受けます。
この際にプロピオン酸、酪酸、酢酸などの短鎖脂肪酸が生成されます。

短鎖脂肪酸は1g当たり約2kcalのエネルギーを持ち、
大腸粘膜の主なエネルギー源となって蠕動運動を促します。
それと同時に腸内を酸性に傾け、悪玉菌の発育を抑制し、
酸性環境に強いビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の増殖を促進して腸内環境を改善します。
さらに、腸管のバリア機能も強化。

全身への作用としては、
血糖値を急上昇を抑え、脂肪の蓄積を調節することで肥満を予防し、
さまざまな生活習慣病のリスクを低減します。

Q 腸活でメンタルケアはできますか?

A
腸と脳が互いに影響し合う関係を「脳腸相関」と言います。
ストレスを緩和する神経伝達物質の「GABA」や、幸福感をもたらすホルモン「セロトニン」
脳でも作られますが、腸内でも作れています。

“脳は変えられませんが、腸は食事で変えられます!”

メンタルのことを大事にするなら腸活は欠かせませんね。

colanでは腸活を取り入れたダイエット相談を行なっております。

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